『東京凹凸散歩 荷風にならって』
「足を前に出せば一緒に気持ちも前に進み、帰宅したときには別の自分になっている。散歩は家からの逃避であり、自分への景気づけであり、みそぎでもあった」
妻に逃げられ様々な憂鬱がのしかかるなか、そののどかな文体がかえって異様さとおかしみを漂わせる荷風の『日和下駄』。
その心情と足跡をたどりながら実際に凹凸の街、東京を歩いた散歩エッセイ『日和下駄とスニーカー』が、内容を更新して復刊されました。
荷風の目に映った東京と著者の目に映った東京。何気なく見過ごしている私たちの東京が、重層的な姿を現します。
私たちも、迷い歩きたくなる一冊です。
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